プログラミング教育は、現代の子どもたちにとってどんな効果があるのでしょうか?
あなたは、きっと子どもたちの成長や未来に対して関心が高いことでしょう。
子どもたちがプログラミングを通じてどのように学び、成長するのか、その具体的な効果や実例を知りたくありませんか?
この記事では、プログラミング教育がもたらす多くの効果について、詳しく解説します。
実際にプログラミング教育を取り入れている家庭の声や、教育現場での成功事例も交え、なぜプログラミングが子どもたちにとって重要なのか、その理由を明らかにします。
この記事を読むことで、プログラミング教育の具体的な効果と、その背後にある理由を理解し、あなたの子どもにもプログラミング教育を取り入れる意欲が湧いてくるはずです。
総務省『プログラミング人材育成の在り方に関する調査研究報告書』の客観的データを元に、プログラミング教育は効果あるの?ないの?を図、表を交えて分かりやすく解説します。
- プログラミング教育が子どもたちの創造力や論理的思考力をどのように向上させるか
- プログラミングを通じて子どもが学習意欲や忍耐力を高める具体的な方法
- プログラミング教育がもたらす21世紀型スキルの重要性とその実例
- 子どもがプログラミングを学ぶことで将来の可能性が広がる理由と具体的な効果
↓プログラミングスクール・プログラミング教室はどこが良いか悩んでいる方は
プログラミング教育の効果ってなに?
プログラミング教育を継続することでの効果をまとめました。
- プログラミングは子どもへの動機づけ効果が高い
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- プログラミングでは自分の作ったものに対する結果がすぐにわかるため、内発的な動機づけに優れている。
- 興味・関心に対して、やりたこと、やるべきこと、やれることが明確になり、目標を設定できる。
- 集中力、忍耐力の向上
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- インタープリター型(1行のプログラムですぐ結果が分かる)言語では、反応がすぐに返ってくるため、取組に対する集中力、忍耐力などが身につく。
- 情報科学の原理の理解、リテラシーの向上
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- コンピュータや情報科学の原理の理解につながる。
- 将来、ICT(通信技術を活用したコミュニケーション) を利活用していくための素養・リテラシーが身につく。
- 21 世紀型能力の向上
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- 自ら課題を発見し、取り組み、解決するという課題解決能力、試行錯誤をする力など、21 世紀型スキルに近い能力が身につく。
- 合理性や論理的認知を促進する。
- 表現力や想像力、創造性が向上する。
- その他
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- チームでの作業を行う場合には、協調性が育まれる。
- 積極性が向上する。
- プログラミングを学ぶ際には、学校での他教科の学習理解度とは異なる理解度や反応を見せる児童生徒がいる(プログラミングに適性を見せる生徒がいる)ため、児童生徒の活躍の可能性が広がる。
一人でプログラミングをやることが多いけど、発表会で度胸はついたし、友達もたくさんできたよ。
プログラミングスクール、教室に運営側は効果があると感じているの?
グラフの通り、効果がありと答えている。
1番目効果ありが、「新しいものを生み出す創造的な力」、2番目以降の効果ありも、「自ら学ぼうとする意欲」、「ものづくりの意欲」、「ものごとをやり遂げる粘り強さ」の順で続く。
小学校低学年までは意欲や創造力、小学校高学年以降は、意欲や創造力に加えて、数量的感覚、論理的思考力、計画性や粘り強さなど、幅広い能力の向上に効果がある。
- 就学前で得られる効果
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「新しいものを生み出す創造的な力」、「自ら学ぼうとする意欲」
- 小学校低学年で得られる効果
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「新しいものを生み出す創造的な力」、「自ら学ぼうとする意欲」、「ものづくりの意欲」
- 小学校高学年~中学校で得られる効果
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上記に加え、「距離、量、回数、見込などの数量的な感覚」「論理的に物事を考える力」「ものごとを計画的に行う力」「ものごとをやり遂げる粘り強さ」「他人と協力する力」
プログラミングの作品もたんさくできたよ。最近のお気に入りは、オセロゲーム。
具体的に、なぜ効果があると感じているの?
具体的な事例を挙げてみます。
プログラミングでは自由に作品を制作する課題を与えることが多いため、子どもたちの作品制作を通じて、作りたいものを実現するという創造力が向上する。
- 作りたいものを作る、楽しむ、さらに作るという好循環が生まれる。
- 同じテーマの中で他者との発想の違いを感じ、その上でアイデアを相乗的に膨らませていく面白さや楽しさを体験できるため、子どもの「共に創る力」を育む効果が大きい。
- ゼロからものを作り出す面白さを実感させることで創造性が伸びる。受講生徒の年齢が上がるにつれて、ゼロからものを作り出すという創造性は弱くなり、その場における正解を推測して答えを提示しようとする傾向が強まる。
うちの子も自分のアイデアを形にする楽しさに夢中になってる。親としても、自分がプログラミングを経験しているから、そのワクワク感を共有できるのは嬉しいよ。
プログラミングは制作物の実行と結果の確認ができることから、その活動自体が子どもたちにとって楽しいものであるため、積極的に活動に取り組み、数学的な知識を体感しながら学べることから、学習意欲が向上する。
- デバッグやトライアンドエラーを繰り返して作品を完成させるというプログラミングの作業特性から子どもたちがプログラミングの様々なタイミングで気づきを得るため、子どもたちの忍耐力、集中力が持続し、学習意欲が向上する。
- プログラミング自体に楽しさがあるため、学習意欲の向上が認められ、自ら取り組もうとする意欲が向上する。
- うまく動かない際のデバッグやしくみが分かった時の腑に落ちた感じなど、参加者それぞれのタイミングで色々な気づきや成長がある。
- トライアンドエラーを繰り返すことにより、忍耐力、集中力がつく。宿題だと30 分も集中できない子どもが3 時間集中できている。
大人でも、あてはまることがたくさんありますね。
フローチャート作成に基づきプログラミングするという過程で、俯瞰的に考えたり、時系列で考えたり、仕組みを考えるなどの合理的、論理的な思考が必要となるため、論理的な思考力や課題解決能力が向上する。
- 可視化に優れ、見通しが立てやすいロボットを通して、「失敗をして、見通しをたててやりなおす」ことによって、論理的思考力を学ぶ。
- 流れ図を用いることで、俯瞰的に時系列で物事を見ることができるようになる。
- 作りたいもの(仕様書)を具体的に再現する手段を考えることで、論理的な思考力の向上に繋がる。
子どもが論理的な思考力を身につけているのを実感しています。フローチャートを使って、計画的に問題を解決する姿は、見ていて頼もしいです。
プログラミングの過程を通じて先生や受講生同士で相談が必要になる。子どもが自分の考えを説明するという活動を通じて、表現力の向上が図られる。また、完成した作品の発表を通じて、子どものプレゼンテーション能力が図られる。
- 頭の中にあるイメージを紙に描くことで、仕様書ができ、それを元に作成すると、表現力の向上につながる。
- やりたいこと、知りたいこと、考えていることなどを、言葉で相手に伝える能力も身につく。
- 作品の発表の場を通じて、子どもたちの表現力、プレゼンテーション能力が向上する。
表現力がどんどん向上しているのを実感しています。自分の意見を伝える力が育つのは嬉しいですね。
プログラミングの過程で子どもたち同士で相談したり、教えあい、学びあうことを通じて、目的達成のために前に進む主体的な行動力が身につく。
- 子どもたち同士で教え合うことを身に付け、受け身ではなく、主体的になり、行動力に繋がる。
プログラミング教室での子どもの成長がすごいです。友達と一緒に学び合うことで、どんどん主体的に動けるようになっています。
プログラミングにおいて、テキスト型言語を取り扱う場合には、アルファベットや英単語に触れる機会があるため、英語力に好影響がある。
プログラミングの過程で、不明点を調べたり、既存のライブラリを利用するなどの作業を行う際にインターネットによる情報検索を行うため、情報検索能力の向上など情報利活用能力が向上する。
- テキスト型言語を使っているため、ある程度は英語力にも良い影響がある。
- 作業の過程や作品公開を行うことを通じて、情報モラルが身に付く。
- プログラミングスキルと言語力や検索力(情報利活用力)が向上する。
Scratchでは、英語を使っていないよ。
プログラミング特性と教育効果
プログラミングの特性 | プログラミング教育の効果 |
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ICT(情報通信技術)を利用する | プログラミング能力の向上 検索力等の情報利活用力の向上 コンピュータに関する知識の理解 |
フローチャートや設計図、仕様を考える | 論理的思考力の向上 |
インタープリター型言語においては、 試行錯誤が容易である | 課題解決能力の向上 |
モノづくりである | 完成させる、やりきる力(忍耐力、集中力)の向上 |
プログラミング自体及び成果が 子どもにとって魅力的である | プログラミングや関連スキル(情報利活用力、語学力等)に対する学習意欲、関心、動機の向上 |
チームでの活動を設定できる | 主体的な行動力の向上 自己・他者肯定感の向上 発表力の向上 チームでの活動力の向上 |
プログラミングはツールであり、 多様な目的で活用できる | より多くの子どもへの関心・意欲、動機付けに有効 創造力の向上 表現力(デザイン力)あるいは論理性の向上 |
その他 | 早期教育による天才的プログラマーの育成可能性向上 |
プログラミングに関する教育がもたらすスキル
現在、実施されているプログラミング教室・講座は、プログラミング体験自体を目的としていたり、プログラミングを楽しみ、創造力を養うことを目的としていることが多い。
プログラミング=創造力と定義すると、創造力を得るためにプログラミングが他の教育手法よりも効果的であるかどうかを問われることになり、結果として、プログラミングに関する教育の推進を阻害することを危惧する指摘もある。
ただ、プログラミングに関する教育の効果として、「論理的思考力の育成」、「コーディング・プログラミングスキルの育成」、「問題解決能力の育成」など、一定の範囲をカバーしていることは諸外国の事例、有識者の認識でも合致している。
効果はあるのは分かったけどどう教育(育成)するの?
論理的思考力、抽象的思考力などが身に付くのは分かったけど具体的にどうすればよいのでしょうか。
なんやかんやでプログラミングをマスターすることは簡単ではありません。
- IF-THEN 型の論理構成は9 歳10 歳まで理解できない。また、論理的思考は、11 歳以降でなければ理解するのは難しい。
- 論理的な考え方、抽象的な能力が限られているので、それが備わってからやるべきである。Scratch の主なターゲットは8 歳以上である。
- 11,12 才以上から、抽象的一般的な形で論理形式的に考えることができるようになる形式的操作期 (operational stage)としている。
- フローチャートの学習は小学校5 年生以上になってからでないと難しい。よほど優秀な場合は小学校4 年生でもできる場合もあるが、小学校3 年生以下にはまず不可能である。
プログラミング言語の文法やアルファベットの利用を考えると、そのような文字を理解してから、本格的に言語を利用することが良い。
ただし、文字の利用の習熟は、個人差や経験による差が大きいので、その点は理解すること。
論理的思考力を身につけ、テキスト型言語にも習熟した後は、年齢にあまり関係なく、プログラミングの知識とスキルに応じて指導内容をステップアップすることが可能となる。
能力に応じたツールを用いた指導(教育)方法を表にします。
論理的思考が身に付く前(3 才頃から9才頃)
指導方法 | 主な教材・ツール |
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(a)プログラミング体験型 グラフィックス操作を試しならが、その結果の動きを通じてプログラミングに親しむ。 | Viscuit (タブレット) |
(b)創造性育成型 簡単な操作で利用できるビジュアルプログラミング環境を自由に使い、アニメーションの創作などを通じて、創造性や遊びや表現を通して楽しみながら学び個性を伸ばす。 | Viscuit(タブレット) |
言葉もわからないので、直感的に遊べる機器がいいですね。
論理的思考ができる時期(9 才頃以降)
指導方法 | 主な教材・ツール |
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(a)自主性育成型 論理的構成を必要とするビジュアルプログラミング環境を用いて、自主性を重視し、指導者は基礎的なサポートのみ行い、自由にプログラムを作成させる。 | Scratch 等ビジュアル 言語、EV3 レゴマイ ンドストーム |
(b)スキル習得型 Scratch 等を用いて(1)教材学習(2)オリジナル開発(3)発表会などのステップアップによりビジュアルプログラミングを学ぶ。スクール型、複数回のイベント型などがある。カリキュラムと教材を体系化(オリジナルテキスト、市販テキスト)している。 | Scratch 等ビジュアル 言語 |
(c)課題設定・解決力育成型 作りたいモノや目標を最初に具体化し、その後、Scratchなどのツールを用いて実現することにより、問題設定力と段取り力を身につける。 | Scratch 等ビジュアル 言語、設計図・企画 シート |
(d)協調性・表現力育成型 子どもの交流、子ども同士の共同作業を重視し、ファシリテーターはサポート中心。成果の発表により協調性や表現力を育成する。 | Scratch 等ビジュアル 言語、Viscuit |
(e)忍耐力・解決力育成型 問題に突き当たっても、子どもが自ら試行錯誤により解決策を見出せるようなサポートをすることで、忍耐力、解決力を養う。 | Scratch 等ビジュアル 言語、EV3 レゴマイ ンドストーム |
子どもがプログラミングを好きになったので、ゲーム感覚で没頭してました。
テキスト型言語が使える時期
指導方法 | 主な教材・ツール |
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(a)スキル習得型 (1)基礎概念の習得、 (2)全体構成と実践 (3)オリジナルアプリ開発 の 3 ステップにより指導する。 | Java 、Objective-C 、 HTML5 等テキスト 言語 |
(b)モチベーション向上型 指導員(メンター)とのコミュニケーションや、アプリ・リリース、アプリ甲子園など外部とのつながりを通じて、モチベーションを高める。 | Java、Objective-C 等 テキスト言語 |
(c)課題設定・解決力育成型 どのようなプログラムを作るか(What)を考えてから、どのようにプログラミングするか(How)を考えるようにする。 | テキスト言語 |
発表会での優勝を目指していたので、モチベーション維持できたと思います。
まとめ
プログラミングには個人の適性が影響し、多様な活躍の可能性が広がり、それぞれの能力を育成するための段階的かつ個別の指導方法の適用が求められますが、常に、子どものモチベーションを高めることが必要です。
そのためにも、「こんなものを作ってみたい!」と没頭したくなるような環境を与えることです。
個性の尊重と創造性の育成するためにも、画一的な価値観よりも、多様性や自分らしさを尊重する。周囲と比較するのではなく、自分の個性や興味を大切にして、新しくオリジナルのモノを作る力を養っていく。
作るペースも、作る作品の内容も、子どもが自由に取り組めるように設計することで、個々の才能や創造性を
最大限に引き出し「出る杭が伸びる」ような環境を追求していき、自ら主体的に考え、アイデアを形にして、それを周囲に伝えていける力を子どもたち自身が身につけることを目指すことが大切です。
そのために、手段を学ぶだけでなく、新しいものを自分で生み出し、形にするための試行錯誤を経て、最後にそれを周囲に発信する経験まで行う。
その経験を通じて、子どもたちが将来未知の問題に対面した時に、自らの力で乗り越えられるような力を育んでいくことで、より子どもの能力が育みます。
↓プログラミングスクール・プログラミング教室はどこが良いか悩んでいる方は